脳へのストレスを減らす「仕組み化」と「整理整頓」
広報誌「NOSAIかごしま」Vol.4掲載
熊毛家畜診療センター 春田 竜也
人は1日に3万5千回以上の判断をするという研究結果があり、ご飯は何を食べようか、何を着て出かけようかなど私生活においても判断を必要とする機会はたくさん存在します。
いざ仕事に入るとその機会はさらに増え、その回数が多ければ多いほど脳にストレスがかかり、時に大きな判断ミスをしてしまいます。農繁期になると牛も人も事故が増えてくるのは、脳への負担が大きいのが原因と考えられます。では、判断の回数を少なくするにはどうすればよいでしょうか。
作業の仕組み化
ひとつは「仕組み化」です。仕組み化は、毎日決まって行う作業に順番と方法を決めておくと、判断に有する回数が減ります。余力のできた脳は、普段は気づかなかったことにも意識が向き、牛の病気や体調の変化などの早期発見につながります。また、「あんな所に釘があると危険」とか「あのくぼみで牛が寝たらまずい」など、農場内のちょっとした問題が見えてくるきっかけになります。
整理整頓
そして、もうひとつは「整理整頓」です。農場内の動線を確保することで効率良く作業ができ、時間の短縮になります。
また、視界が良くなると牛の観察もしやすくなり、異変に気づきやすくなります。作業中に必要なものがどこにあるかすぐに分かるので、スムーズに動けて作業もはかどります。不要なイライラも少なくなり、夫婦喧嘩もきっと減ることでしょう。
まとめ
判断の回数を減らす状況を作ることで、脳への負担が軽くなり、ストレスを感じることが少なくなると、結果的に牛と農家さんがより幸せになれることにつながります。
仕組み化と整理整頓を意識して、仕事に励めるように頑張りましょう。
私の診療車の中は・・・・・・。
偉そうなことが言えるように頑張ります!
※広報誌掲載時の内容に加筆等している場合があります。また、所属・内容等は掲載当時のものです。