中耳炎の発見は日頃の観察から
広報誌「NOSAIかごしま」Vol.3掲載
中部家畜診療センター 小川 鈴
人が中耳炎になるのはご存じかと思いますが、子牛も中耳炎になることがあります。
原因
中耳炎の原因は主にマイコプラズマという細菌の感染で、感染経路は、乳汁を介しての母子感染、授乳ロボットや哺乳瓶、子牛同士の舐め合い、くしゃみなどによる飛沫感染が挙げられます。
牛体内での経路は
①外耳炎が進行し、鼓膜を越えて中耳炎になるケース
②鼻から感染した菌が、中耳と鼻をつなぐ耳管を通って中耳へ到達する
二つのケースがあります。
症状
一番気付きやすい症状は片方だけの耳介(耳たぶ)の下垂です。感染で出た膿が神経を圧迫し、まひすることで起きてしまいます。他の病気で元気がない時は両耳下がりますので、片方か両方かで判断できます。この症状は、外耳炎でもみられますが、上記①の通り外耳炎が進行すると中耳炎になりますので、この段階で発見できるかどうかで今後の治療に関わってきます。

中耳炎の発症により右耳が下垂した状態の子牛
症状が進行すると、片方だけ顔面のまひ(むくみ、目が開かない、ミルクがうまく飲めない)、首が傾く、上手に立って歩けなくなるなど、悪化していきます。
もう一つ分かりやすいのが、耳から赤黒や白い膿の色をした汚れた汁が排出されます(これは外耳炎でも起きます)。また、高熱や鼻水などが発症し、肺炎を併発することもあります。
治療
①耳をきれいに拭いて風通しをよくする
②耳を洗浄する
③抗生剤の投与
予防
マイコプラズマを農場に入れないことが一番の対策ですが、子牛の免疫力を上げ、ストレスを少なくする飼い方で、発症を抑えることができます。親牛を瘦せさせない、初乳をしっかり飲ませる、牛舎を清潔にする、暑熱や寒冷によるストレスの対策をする、密飼いをしないなどを心がけて子牛を病気から守りましょう。
※広報誌掲載時の内容に加筆等している場合があります。また、所属・内容等は掲載当時のものです。